真壁造り
- 小野育代
- 6月23日
- 読了時間: 1分

リノベーションの相談がある、昭和40年代〜50年代頃の木造家屋の多くは、真壁造りの和室が主な部屋です。壁が土壁でざらざらと落ちてしまったり、黒っぽくて暗い印象であったりと、数十年も経つと古びた印象になってしまいガチですが、よく見ると木部はいい塩梅で経年変化をし、新しいものにはない風合いが出ています。写真は、耐震改修も含めたリノベーションの例ですが、柱や長押、障子といった木部は残し、壁を左官で明るく塗り直し、収納はシナベニヤで新しく作り替えました。畳の部屋とキッチンの境の垂れ壁は撤去することで、キッチン側も以前に比べて明るく。真壁造りは、今ではあまり造られなくなり、貴重なスタイルになったと思います。

リノベーションの設計は、建物の不都合なことを改善すると共に、良さを引き出すこと。悪いことに目がいってしまい、案外、毎日生活していると気がつかない「良さ」もあるかもしれません。
小野育代・小野育代建築設計事務所
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