石黒隆康 (いしぐろたかやす) / BUILTLOGIC
●住宅の設計で大切にしていること
その場所にどんな家が建つとよいか。
素朴なかたち、素朴な暮らしをイメージしてミニマムな倉庫のような家を目指しています。明確な目的がなければ余計なことはしない、引き算の設計が良いと思っています。
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ブログ:「BUILTLOGIC創作日記」
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九品仏の家
「吹抜、ラウンジ、デッキ、、、、小さな要素を集めた家です。」昔ながらの閑静な住宅街にあります。通りから見える町並を考慮して、建物を敷地の奥に配置し、高さも抑えています。 南側は隣家が近接している為、東側に庭とアプローチを設けて南北に細長い建物としました。 東面と道路側にできた庭に、建主と選んだ木々を植えています。室内に光が拡散するように小さなデッキを2ヵ所設けました。 デッキ、吹抜、和室、ラウンジなど、ボリュームを抑えた要素がつながり合って全体を構成しています。
1階にある床座のリビングは吹抜を介して2階ともつながり、光が差し込み視線も空へと抜けていきます。 リビングと和室にある「格子戸」は外観のアクセントになるだけでなく、視線・光・風などの調節もできる優れものです。床は胡桃(クルミ)の無垢材としました。家具や建具も合わせてクルミで仕上げています。壁、天井は漆喰塗りです。玄関の床とアプローチには深岩石を使いました。 全体的に素材や材料を吟味しながら丁寧に考えた家になったと思います。
深大寺の家
「旗竿・狭小の敷地に明るく快適なリビングを作る。」旗竿・狭小敷地の難しい設計条件でした。現在は敷地の西側のみ駐車場で開けていますが、将来的に建物が建つ可能性があります。周囲を隣家に囲まれていても明るい家にしたい、リビングホームシアターを設けたいなど、与えられた敷地条件と建主さんのリクエストを素直に解いていくことで設計を進めました。ワンフロア10坪程度ですが、2階は屋上デッキとそこに繋がるペントハウスを利用して、LDKに光を落とし込む計画としました。
デッキに面したハイサイドライトは掃除などのメンテナンス性も良く、使い勝手の良い設計です。ホームシアターは専門のインストーラ業者さんとコラボレーションし、できるだけ音と映像の環境を整えるように計画しています。旗竿・狭小敷地の条件をクリアすべく、屋上デッキ、ハイサイドライト、ペントハウス、ロフトなど、盛りだくさんの要素をまとめるのに苦労しましたが、完成した住宅は、小さいながらも落ち着きのある雰囲気を作れたのではないかと思っています。
駒沢公園の家
「快適な倉庫をテーマにした住宅」KINOIESEVENがきっかけで出会った建主さんと作った住宅です。BUILTLOGICのコンセプトのひとつでもある、「快適な倉庫」をテーマとして打合せを重ねました。作り込みすぎたり、過度にお洒落だったりすることを由とせず、単純・シンプルに設計を進めることができました。将来的なお母さんとの同居もイメージして個室を設けたり、ご主人のための書斎を作ったりしてプラスαの要素もありますが、面積は28坪とコンパクトにまとめることができました。片流れの単純形態の外観はガルバリウム鋼板で包み、内部はから松の無垢材を床に採用して、壁はローラー漆喰でまとめました。2階の天井は構造のタルキ材をそのまま見せて屋根形状をそのまま表現しています。玄関周辺と庭に植栽を植えることで無機質な倉庫のイメージも人が暮らす柔らかなイメージに近づいてくるような気がします。