設計をさせていただいた保育園のお話です。
ある程度以上の規模になると内装制限という法律が適用され、木などの燃えやすいものが室内に自由に使えなくなります。
せっかくの子供たちの木の家を作ろうとして始まったプロジェクトでしたから、木の仕上げが出来ないなんて困ったものです。
そこで木造防火の第一人者、桜設計集団の安井昇さんにアドバイスをいただきました。
こういう場合にも木を室内に使える手段というものはあるんですね。
建物自体の防火性能を準耐火にすれば内装制限は緩和されて大丈夫ということなんです。
準耐火だったら、柱や梁も燃え代(モエシロ)設計すれば、木として表して見せることも出来ます。 燃え代設計というのは、木材が燃え進むのに1分間で1㎜であるという特性から、建物にいる人たちが安全に避難できる時間を柱や梁を一回り大きく設計して稼ぐという考え方です。火事がおこっても安全に避難が出来るように設計するということなんですね。
というわけで、設計していた保育所は燃え代設計による準耐火建築として設計を進めて行くことになりました。
燃え代設計は、木をあらわしたデザインで実現するために有効な手段です。 (初出:キノイエセブンFacebookページ 2015年2月4日 古川泰司)
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