キノイエセブンのメンバーで小野育代が設計した店舗併用住宅を訪ねてみました。
建て主さんは、元々は仕出しもする魚屋さんでした。 お客様にお店でも料理を食べていただきたくて小さなうなぎ屋さんとお住まいを建てることにしました。 狭いながらも自然が感じられる居心地のよいお店にしたかったとのこと。 漠然とした希望を形にしてくれたのが設計者の小野さん。 十分な広さではない敷地の中に、町中を忘れさせる緑に囲まれた店舗と居心地のよい住まいを実現させました。
敷地は坂道の角地です。店舗の入り口は坂を下った位置にあります。 入り口脇の小さな植え込みには、紅葉などの緑が植えられ街角に潤いを与えています。 植え込みにはベンチがしつらえてあり、優しさが伝わってきます。
中に入ると正面に緑の濃い中庭。道路から1mほど下がっているので明るさが抑えられ深い森の中のような落ち着きと自然が感じられます。 客席は8席。両面に緑が迫り自然の中のレストランの様。背後壁にうがたれた横長のピクチャーウインドウが狭さをかえって心地よくさせてくれます。
まるで森の中にあるようなたたずまい。
お住まいは店舗の2階。 居間食堂の広さは7畳弱とかなりコンパクトですが、2方がウッドデッキに面していて戸外と室内がつながっています。 ウッドデッキ越しには隣地の木々の梢が楽しめ開放感のあるスペースです。 食卓上部の天井は背の高い人なら手が届く高さですが、窓側はロフトに面した吹き抜けがあり狭さや低さを全く感じさせません。ロフトへの階段も爽やか。 窓辺は一段上がってい座れる高さに設定されています。 中は大きな収納、狭いスペースを立体的に使って楽しい居場所になっています。 ごろっと寝そべるのも気持ちよさそう。
収納がたっぷりあるので、お部屋もすっきり片付いています。住まい手のセンスの良さが感じられました。
お店の看板脇には小野育代建築設計事務所のチラシ入れも設置してありました。 お店をお借りして、時々住まいの相談会を開いているそうです。
店内に置かれた小野さんの住宅模型と住まいの相談会のチラシ。 建て主さんと設計者の良好な関係がうかがわれます。
■データ ・木造2階建 ・敷地面積 87.48㎡ ・店舗名 旬の味うおはる
(設計:小野育代建築設計事務所・小野育代/レポート:半田雅俊設計事務所・半田雅俊)
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