玄関を入って正面にキッチンがある佇まい。火気使用室に内装制限のかかる住宅です。キッチンだけでなく、ダイニングやリビング、吹抜などもワンルームとして繋がっていれば、全て火気使用室として扱われます。つまり、それと繋がる空間の内装には木部を現すことができません。でも、こちらの住宅では現しています。ポイントはガスコンロ廻りに『垂れ壁』を設けていること。その垂れ壁によって、火気を使用する場所とその他の空間を区切っている訳です。その垂れ壁による囲われ感が、かえってキッチン廻りの落ち着きを醸し出しているように思います。
垂れ壁を設けるにも、せっかくなのでデザインに活かしたいもの。外部と同じ焼杉を貼りました。キッチンカウンターの腰壁部分にも同じく焼杉を貼っています。炭を掻き落とし、黒く染めたもの。焼杉を掻き落とすと、杢目が浮き出る「浮造り」となって美しい。写真では、その美しい素材感がお伝えできませんね。。。
根來宏典/根來宏典建築研究所
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